出雲国風土記・現代語訳:神門郡

現代語訳

通道(かよいぢ)。

出雲郡の堺の出雲河のほとりに行く道は、七里二十五歩である。

飯石郡の堺の掘坂山(ほりさか)に行く道は、一十九里である。

同郡の堺の与曽紀村(よそきのむら)に行く道は、二十五里一百七十四歩である。

石見国安濃郡(いわみのくにあの)※1の堺の多伎々山(たきき)に行く道は、三十三里である。〔道には常に?(せき)がある。〕

同安濃郡の川相郷(かわい)に行く道は、三十六里である。径(こみち)に普段は剗(せき)がない。ただ政治的事情がある時に、権(かり)に置くのみである。

前述の五郡は、いずれも大海の南にある。

※1 石見国安濃郡:大田市東部

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原文

通道

通出雲郡堺出雲河邊七里廿五歩。

通飯石郡堺堀坂山一十九里。

通同郡堺與曾紀村二十五里一百七十四歩。

通石見國安農郡堺多岐々山卅三里。

通同安農郡川相郷卅六里。径、常剗不有。但當有政時権置耳。

前件伍郡、並大海之南也。

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