出雲国風土記・現代語訳:仁多郡

現代語訳

横田川(よこた)。:仁多郡奥出雲町の斐伊川の上流

源は郡家の東南三十五里の所にある鳥上山(とりかみ)から出て、西に流れる。いわゆる斐伊河(ひいかわ)の上流である。〔年魚がいる。〕

室原川(むろはら)。:仁多郡奥出雲町の室原川

源は郡家の東南三十六里の所にある室原山から出て、北に流れる。ここはいわゆる斐伊大河の上流である。〔年魚・麻須(ます)・魴鱧(むなぎ)などの類がいる。〕

灰火小川(はいび)。:仁多郡奥出雲町にある川

源は灰火山(はいび)から出て、斐伊河の上流に入る。〔年魚がいる。〕

阿伊川(あい)。:仁多郡奥出雲町の大馬木川。「あい」川と読む

源は郡家の正南三十七里の所にある遊託山(ゆた)から出て、北に流れ、斐伊河の上流に入る。〔年魚・麻須がいる。〕

阿位川(あい)。:仁多郡奥出雲町の阿井川。「あゐ」川と読む

源は郡家の西南五十里の所にある御坂山(みさか)から出て、斐伊河の上流に入る。〔年魚・麻須がいる。〕

比太川(ひだ)。:安来市の飯梨川

源は郡家の東南一十里の所にある玉峯山から出て、北に流れる。意宇郡(おうぐん)の野城河(のぎ)の上流がこれである。〔年魚がいる。〕

湯野小川(ゆの)。:仁多郡奥出雲町の亀嵩川

源は玉峯山から出て、西に流れて斐伊河の上流に入る。

<<前   次>>


原文

横田川 源出郡家東南卅五里鳥上山。北流。所謂斐伊河上。〔有年魚少々。〕

室原川 源出郡家東南卅六里室原山。北流。此則、所謂、斐伊大河上。〔有年魚・麻須・魴鱧等之類。〕

灰火小川 源出灰火山。入斐伊河上。〔有年魚。〕

阿伊川 源出郡家正南卅七里遊託山。北流。入斐伊河上。〔有年魚・麻須。〕

阿位川 源出郡家西南五十里御坂山。入斐伊河上。〔有年魚・麻須。〕

比太川 源出郡家東南一十里玉峯山。北流。意宇郡野城河上、是也。〔有年魚。〕

湯野小川 源出玉峰山。西流入斐伊河上。

<<前   次>>