出雲国風土記・現代語訳:大原郡

現代語訳

斐伊川(ひ)。:斐伊河とも

郡家の正西五十七歩の所にある。西に流れて出雲郡多義村(いずもぐんたがのむら)に入る。〔年魚・麻須がいる。〕

海潮川(うしお)。:雲南市の刈稲川

源は意宇(おう)と大原(おおはら)の二郡の堺にある笶村山(やむら)から出て、北に流れて海潮より西へ流れる。〔年魚が少しいる。〕

須我小川(すが)。:雲南市の須賀川

源は須我山(すが)から出て、西に流れる。〔年魚が少しいる。〕

佐世小川(させ)。:雲南市の佐世川

源は阿用山(あよ)から出て、北に流れて海潮川に入る。〔魚はいない。〕

幡屋小川(はたや)。:雲南市の幡屋川

源は郡家の東北の幡箭山(はたや)から出て、南に流れる。〔魚はいない。〕

四つの川は合流して、西に流れて出雲大川(いずも)に入る。

屋代小川(やしろ)。:雲南市の三代川

源は郡家の正北の除田野(よきだ)から出て、西に流れて斐伊大河に入る。〔魚はいない。〕

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原文

斐伊川 郡家正西五十七歩。西流、入出雲郡多義村。〔有年魚・麻須。〕

海潮川 源出意宇與大原二郡堺笶村山。北流。自海潮西流。〔有年魚少々。〕

須我小川 源出須我山。西流。

佐世小川 源出阿用山。北流、入海潮川。〔无魚。〕

幡屋小川 源出郡家東北幡箭山。南流。〔无魚。〕

水四水合。西流、入出雲大河。

屋代小川 源出郡家正東正除田野。西流、入斐伊大河。〔无魚。〕

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